講演:「網膜の再生医療」
理化学研究所 網膜再生医療研究チーム チームリーダー 高橋政代先生
報告(広島県眼科医会報から転載)
第8回「ロービジョンの集い」が、平成23年9月18日(日)、広島国際会議場で開催されました。
今年も昨年と同様に、「ロービジョンの集い」、「目の健康講座」、「小児眼科懇話会」、「広島県眼科医会講習会」、「広島県眼科医会総会」を統合したイベントの一環として行われ、「ロービジョンの集い」には、患者、その家族、学校関係者、行政担当者など161人の参加者がありました。
山代浩人広島県眼科医会会長の開会の挨拶に続いて、広島県知事代理の(肩書きと氏名)氏、広島市長代理の(肩書きと氏名)氏が来賓のご挨拶をされました。
来賓のご挨拶の後、理化学研究所 網膜再生医療研究チーム チームリーダー、高橋政代先生が講演されました。演題は今最も注目されている「網膜の再生医療」です。
高橋先生は、網膜の再生医療の最前線について詳しく述べられ、「網膜の再生医療」を「飛行機の進歩」に例えて、わかりやすく説明されました。
かつて、「空を飛ぶ」というのは「人類の夢」でした。しかし、ライト兄弟が1903年に世界で初めて有人飛行機で空を飛んで以来、種々の施術革新により、現在では私たちはジェット機での空の旅を安全に楽しむことができるようになりました。網膜の再生も少し前までは夢の段階でしたが、現在では夢を一歩超え、ライト兄弟の飛行機レベルに達しました。ただ、残念ながら、まだジェット機には達していません。
最後に、高橋先生は患者さんに対して、次のようなメッセージを発せられました。「網膜の再生医療に対してジェット機を期待するのは、残念ながらまだ難しいです。ただ、ライト兄弟の飛行機に私たちと一緒に乗ってくださる患者さん、ともに目標に向かって進んでいきましょう!」
高橋先生の講演は、患者さんだけでなく、私たち医師側にとっても勉強になりました。
また、例年のように、講演と平行してロービジョンの方のための福祉機器展示も行われました。
最後になりましたが、今回の「ロービジョンの集い」開催にあたり、お手伝いいただきました関係者の方々にお礼申し上げます。