目の健康講座2017

(2017年10月、無事開催されました。ご協力に感謝します。)

とき:2017年10月29日(日曜) 11:00-12:30  国際会議場
ところ:広島国際会議場(平和公園内)「ダリア1」

講演内容:
広島大学 地庵浩司先生 演題 「緑内障のはなし」
山口大学 木村和博教授 演題 「目と糖尿病」

以下、会場での質問に対する「回答」です。

目の健康講座に御質問いただき、ありがとうございました。目の健康相談でお答えできなかったものの中で、お答えさせていただきます。お答えできないものにつきましては、主治医にご相談いただきますようお願いいたします。

緑内障のはなし
・点眼薬の効きめについて:だんだん効き目がなくなってきて、次の薬に替えることを繰り返した場合は、次に出す薬がなくなることはあるのでしょうか?どのくらいで効き目がなくなることが多いですか?その場合、残された道は手術のみになるのでしょうか?
>>点眼は変更したり併用したりして、組み合わせて使うことになります。限りはありますが、日々、製薬メーカーが新しい薬を開発しています。点眼のみで眼圧が下がらなければ、手術が選択の一つになると思います。

・前年度の人間ドックで片側(右)に陥凹ありと結果をいただき、眼科受診したが異常なしと言われ、今年度の人間ドックでは異常なしの結果、これはどう考えたらよろしいのでしょうか?
>>人間ドックでも、異常とみるか問題ないとみるか微妙な程度の変化だと思われますので、眼科受診で異常なしであれば、今のところ問題ないと思います。

・度の合わない眼鏡は、視神経に悪影響がありますか?
>>視神経には影響ありませんが、眼精疲労の原因になりますので、度の合った眼鏡をかけるようにしましょう。

・眼圧変動が良くないと言われたのは、1日のうちの変動のことですか?
>>1日のうちの変動、日内変動が大きいのが良くないということです。

正常眼圧緑内障でも、眼圧を下げるしか治療法はないのでしょうか?
>>正常眼圧緑内障では、視神経の血液循環が悪かったり、遺伝や免疫、酸化ストレスなどが関与していることがわかってきていますが、眼圧を下げることで視野の進行を抑制できることが多いことがわかっているので、まずは眼圧を下げる治療をする必要がある。

・治療に関して、目薬で長く持たすより早めに手術した方が良いという報告があると聞きましたが、どういう報告ですか?
・カシス、、、ある大学の研究で、カシスを食すと視野の悪化が抑えられたとの報告があると聞いたがどういうことか教えてください。1日にどの位のカシスを食べればよいのか?
>>2012年に札幌医科大学大黒教授グループが論文を発表。緑内障患者にカシスアントシアニン50mgを2年間連続摂取して経時変化を見た結果、目の血流が改善され視野狭窄の進行が緩やかになったという報告がありました。

目と糖尿病
・「BSコントロール」とは何ですか?
>>血糖値(BS)は常に変動しており、食事や運動などの日常の生活や、糖尿病治療薬であるインスリンや経口薬の内服で高くなったり低くなったりします。これをある一定の数値以下を目標としてコントロールすることです。

その他
・白内障の手術をすると、加齢黄斑変性が進行すると聞いたことがあるが(自分は白内障と黄斑変性と両方あり)?
>>白内障手術は加齢黄斑変性の進行リスクの一つではありますが、白内障が進行していくと視力が低下して生活に支障がでます。みなさん、状況が違いますので、主治医の先生と相談してください。